社会的市場経済の目標
西ドイツは、自国通貨であるマルクの安定を第一とし、それをもとに消費者に物価安定を最優先とする政策に戦後40年余、終始一貫徹底してきました。
西ドイツがかかげる社会的市場経済の、社会的とはイデオロギーとしての社会主義をいうのではないのです。
価格メカニズムを原理とする市場経済で起こる不公平、不均衡を社会全体あるいは国民的・消費的視点から除外するという意味での社会的なのです。
・・・ということはほとんど福祉的という意味と同義なのです。
物価の安定は、富める者にも、富まざる者にとっても共通の利益です。
・・・ということは、社会全体の利益につながるだけでなく、とりわけ、富まざる弱い者にとって、かりに所得が増えなくとも、また社会からリタイアした高齢者の年金が増額されなくとも、消費生活の基本条件が保証されているからです。
物価騰貴・・・
インフレーションは、富まざる弱い者にとって、最大の敵なのです。
インフレは、長年にわたって営々と蓄えた老人の蓄財を、一瞬にしてニ束三文にしてしまった歴史を、私たちは何度もみてきました。
その意味で、物価にスライドして年金額を増やすことが、福祉政策の充実と考える福祉はナンセンスなのであって、年金の絶対額の多寡を云々することよりも、物価安定という経済政策の方がすぐれて社会福祉的なのです。